褒めることで社員を成長させる3つの効果的な場面とは
「私、ほめられて伸びるタイプなんです。」
この言葉には、「厳しくしないでほしい」という気持ちが込められているので、「叱る」か「ほめる」か、その比率や順番をどうするか、といったことが議論されることは多いと思います。
ただ今回は「叱る」こととの比較ではなく、「ほめる」(ほめられたと思わせる)ことそのものについてお伝えします。
誰でも褒められていやな気持ちはしないもの
叱ることにはプラスもマイナスもありますが、ほめることのマイナスの影響はないと思いませんか。
(ただしそれは、具体的にほめられるようなことをしたときの話で、何もしていないのにほめたら「おだてている」だけになり、マイナスもあるので注意が必要ですが・・・)
以前にご紹介した、マズローの「尊厳の欲求」やハーズバーグの「動機づけ要因」からも、ほめられることで社員のやる気がアップすることが判りますね。
では、仕事をする中で社員が「ほめられる」のは、具体的にどのようなシーンでしょうか。期待以上の結果を出して上司(社長)からほめられるだけでなく、お客様に喜んでもらうことも広い意味でほめられたことになりますね。もう少し広げると、家族から仕事で頑張っていることを認めてもらうことも、ほめられたと言えるでしょう。
効果的な褒め方
それでは上司(社長)のほめ方のポイントと、お客様や家族からの評価を社員のやる気アップにつなげるちょっとした工夫についてご紹介します。
上司(社長)の場合
日頃から仕事ぶりを観察することで、わずかな成長や努力も見逃さないようにすることがベースになります。気が付いたその場でほめても良いし、あまり時間がたたなければ後からほめても大丈夫です。翌日の朝礼などみんなの前でほめるのも効果的でしょう。
目標管理の仕組みをとり入れれば、社員と上司の間で、ほめる(ほめられる)ポイントが明確になり、決められた期間ごとに「ほめる」ことが仕組化されます。ただし、制度を運用するだけでなく、日常的なコミュニケーションが重要なのは言うまでもありません。目標管理制度の詳しい内容については別の機会にご紹介します。
お客様の場合
業種や職種によっては、お客様の喜ぶ様子がほとんど実感できない社員もいます。接客や営業の担当者であれば、直接お客様から感謝の言葉を聞くことができますが、製造業や間接部門の社員はなかなかお客様の声を直接聞く機会がありませんね。
そのような業種や職種の場合には、お客様の声を全社員で共有する仕組みや、アンケートなどお客様の声を積極的に取りに行くのも効果的です。これは「ほめられる」ということだけでなく、「自分は誰に喜んでもらうために仕事をしているのか」ということの再確認にもなり、社員の成長につながります。
家族の場合
多くの会社では、家族が社員の仕事ぶりを知る機会はほとんどないのが現実ですよね。でも、そこに工夫をして家族にほめられたり、家族から尊敬させるような何か仕掛けが作れると、社員の仕事に対するやる気がアップすると思いませんか。
家族を招待したイベントを行い、会社が世の中のどのような役にたっているのか、そして社員がそれにどう貢献しているのか、家族に伝えることができるといいですね。それを知らないままだと、社員は家族から「会社に行ってお給料をもらってくる人」という存在になってしまうかもしれません。
そして、仕事上で社員をほめることがあったときに、同じ内容を家族あての感謝の手紙で送るというのも一つの方法ですね。そのことが家庭で話題になった社員は、これから先もきっと意欲的に仕事に取り組むでしょう。