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リーダーに必要な傾聴と質問のスキル!それ以上に大切なこととは?

 2018/07/29 人材育成 この記事は約 7 分で読めます。
傾聴と質問

説得して納得させたと思っても、社員はあまり納得していないものです。

 

祝婚歌

結婚式

 

 

 

 

 

 

祝婚歌という詩を結婚式などで耳にしたことはありますか。これから結婚する夫婦へのアドバイスが込められたものですが、その詩に次のようなところがあります。

 

・・・正しいことを言うときは 少しひかえめにするほうがいい 正しいことを言うときは 相手を傷つけやすいものだと 気付いているほうがいい・・・(祝婚歌:吉野弘)より抜粋

 

夫婦の場合正しいことをそのまま言うと傷つけてしまい、時には喧嘩になるかもしれません。でも社員が上司や社長から言われた場合、喧嘩にはならず我慢するでしょう。我慢している社員は仕事に身が入りません。

 

正論ほど納得できないもの

納得できない

 

 

 

 

 

 

 

人間は感情の生き物だということを否定する人は少ないですよね。いっぽうで仕事に感情を持ち込むのは良くない、という意見も多いと思います。

 

社員への指示や教育の場面だけでなく、正論でしっかりと説得したときほど、相手は納得したフリをしていることが多くあります。そもそも考えや判断に違いがあるから説得が必要なので、そういう時は感情がすれ違っていることが多いからです。

 

仕事に感情を持ち込むことの善悪とは関係なく、多くの社員が感情に引きずられて仕事をしているのが現実ですね。

 

話すことと聞くことの最適比率

話を聞く

 

 

 

 

 

 

 

人間は自分のことを受け入れてくれると感じる人に対して心を許すものだと言われます。社員への指示や教育の場面で、行き詰ったときほど「聞くこと」が重要になります。

 

できる営業マンは話すことより聞くことを重視するといい、7聞いて3話す程度が良いと言われますが、これと全く同じことですね。私の経験では社員に気づきを与えるには、9聞いて1話すくらいでもいい場合があります。

 

聞くことの意外な効果とは

強い不満

 

 

 

 

 

 

 

職場の人間関係に強い不満を感じている社員と話をする機会がありました。実は私から見ると「お互い様ではないの?自分も少しは反省したら?」という状況だったのですが、その社員が延々と不満を言い続けるのを、ただただ私は聞くだけで、何の助言も指導もしませんでした。

 

ところがその社員が最後には「自分にも反省すべき点があった」と、自分から言い出したのです。聞く事に徹したら本人が自分で大事なことに気付いたというケースです。

 

これは極端な例としても、結果的にこの社員には私が「自分も反省しなさい」と話すよりも「聞くこと」の方が効果的だったのです。聞いてもらい感情が収まって初めて冷静に考えることができたようです。

 

感情が思考を邪魔してしまい、正しい判断ができなくなることは誰にでもあることですね。

 

このケースは本人が感情をむき出しにしていたから対処法が判りやすかったのですが、冒頭に書いたような上司(社長)が指示や教育をする場面でも、実は同じような感情の動きが隠れていることが多くあります。だから説得が必要なときほどまずは「聞くこと」が大事になるのですね。

 

聞き方と二つの質問スキル

耳

 

 

 

 

 

 

 

 

 

この社員のように言いたい事が山ほどあるような場合には、こちらは黙っていても勝手に話してくれます。ところが話すのが苦手な人や、あまり話したくないという状況では、こちらから聞きだしてあげることが必要になります。

 

そんな時に効果的な質問のスキルに「オープンクエスチョン」と「クローズドクエスチョン」を使い分けるという方法があります。それぞれ長所と短所があり、練習すれば多くの人が身に着けられるスキルです。

 

質問技法のコツをつかんで実践すると、社員の気持ちを知りたいときに役立ちます。

 

クローズドクエスチョンとは

yes か no

 

 

 

 

 

 

クローズドクエスチョンとは、答えるときに「イエス」か「ノー」または「ひとこと」で答えられる質問のことを言います。たとえば「今度の日曜日はお休みですか」や「あなたの血液型は何型ですか」などがこれにあたります。

 

オープンクエスチョンとは

オープンクエスチョン

 

 

 

 

 

 

オープンクエスチョンとは、答えるときに「イエス」か「ノー」または「ひとこと」で答えられない質問のことで、たとえば「お休みの日はどういう過ごし方をしますか」というようなものがこれにあたります。

 

オープンクエスチョンは会話を膨らませたいときや、相手の考えているレベルを確認するのにも有効です。さらに相手が気づいてなかったことに、会話を通じて気付かせることもできます。

 

「お休みの日はどういう過ごし方をしますか」という質問に『買い物に行くことが多いです』という返事であれば「どういうお店に行くんですか」と広げることができます。

 

社員に新しい仕事を任せるという場面で「どう?できそう?」と聞いたら『ハイ』とか『頑張ります』で終わってしまいますね。そこで「どんなところに気を付けようと思う?」と聞けば、『最初は○○を特に気を付けてやろうと思います。』というように、自分から考える姿勢があるのか『・・・わからないけれどやってみます』と、まだまだ受け身なのか、ちょっとした質問で見極めることもできます。

 

また、「どんなところが不安かな?」と聞けば『実は〇〇と聞いたことがあるのでそこが不安です』と帰ってくれば「そのことに詳しい人は誰かいないの?」、『××さんです。そうですね、いちど××さんに相談してからにします。』という具合に、オープンクエスチョンは相手の頭の中でより良い方法に気付かせることもできるのです。

 

オープンクエスチョンのコツ

 

オープンクエスチョンは5W1Hでするとよいと言われていますが、その中でもWHY(なぜ)とHOW(どのように)が多くの場面で簡単に使えるので覚えておいてください。また、「あなたはどう思うのか?」という質問も、相手が自分の頭で色々と考えてくれますね。

 

質問スキルの使い分けで気をつけることとは

ここまでオープンクエスチョンの良い点や効果的に使う場面についてお伝えしましたが、オープンクエスチョンも万能ではありません。相手との信頼関係がまだできていない場合や、相手にあまり好意的に思われていない場合にはオープンクエスチョンは「別に・・・」とか「特にありませんけど・・・」のように会話が続かない状況を作ってしまいます。

 

また、オープンであるために答えがこちらの予想の範囲を超えたものになることもあるので、そういう時も慌てずにしっかり答えを受け止める柔軟性が、聞く側に求められるのもオープンクエスチョンです。つまり、こちらの意図する方向へ誘導する目的で使うテクニックではないということです。

 

大事なのはテクニックではない

 

今回はテクニックとしての質問「技法」をお伝えしましたが、社員の本音を聞きだしたり信頼関係を築くのは、テクニックだけでは難しいものです。どんな時でも相手の気持ちをまずは受け止めるという度量があってこそ、質問のテクニックが活きてくることを忘れないでくださいね。

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