社員が期待通りに動かない理由とは?何をかえると動くのか?
社員が期待通りに動いてくれないのはなぜだと思いますか?
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期待通りでないとはどういうことか
期待通りでないということは、大きく次の二つに分けることができます。
1.スキルが足りない
スキルとは「訓練や経験などによって身につけた技能。ある人が有している力量や技術。腕前。熟練。(三省堂大辞林より)」。
つまり経験や熟練が足りないから、期待通りに動かないということになります。だから、訓練(研修や練習)を繰り返したり、時間をかけて育てることが解決策になります。
ほかにはマニュアルを作ることで、スキル不足をカバーできるような職種もありますよね。
2.行動が充分でない・行動が間違っている
こちらの場合、スキルはあってもそれを使っていなかったり、使い方が間違っていたりするから期待通りでないということなんですね。
スキルがあっても行動しない理由とは
スキルがあるのに行動しない理由も大きく二つに分けることができます。
1.社員の「気持ち」の問題
気持ちの問題で行動しないのは実に困った事なのですが、「気持ち」が原因で仕事のパフォーマンスが下がっている社員は、どこの会社にもいるものです。その原因は職場の人間関係のほか、プライベートで抱えている悩みなどさまざまで、なかなか上司や社長が気付くことも解決することも難しい場合が多いかもしれませんね。
ただ次にあげる「理解度」の問題が「気持ち」に大きく影響している場合があり、その場合ここを解決すると目に見えて社員の行動が変わり始めるのです。
2.社員の仕事や現状に対する「理解度」の問題
毎日の仕事が楽しいばかりで何のストレスもない職場って、社員にとってはある意味で理想かもしれませんが、そんな会社はあまりないですよね。
むしろ、人手が足りなくて忙しすぎるとか、日々新たな問題が起きてこれを解決しないと次に進めないとか、経営者から現場の社員まで、毎日何かしらのストレスを抱えながら働いているのが、多くの中小企業の日常ではないでしょうか。
適度なストレスは人間に必要なものだという話を聞いたことがありますが、それが度を超すと仕事のパフォーマンスは必ず下がり始めますよね。その時の社員の皆さんの心のつぶやきで多いのが次のようなものです。
「なんでこの忙しいときに『私が』『この仕事』をしなければいけないのか?」
じつはこの、不平不満を言葉にした時の典型例のような質問に、答えを返してあげることができていない職場がとても多いのです。
その答えの内容は会社や職場によって実にさまざまだと思います。
たとえば
1.「目の前の仕事だけでなく、将来に向けた取り組みを今からやっておくという大事な仕事を、あなたに任せたいから。」といった経営者目線の答えもあれば、
2.「人手が足りなくて募集をしても人が集まらないから、今はあなたにやってもらうしかない。」という極めて現実的なものまで。
ただ、いずれの場合も「当然わかっているだろう」という経営者の想いに反して、実際に疑問を感じている社員には、ほとんど伝わっていないのが現実です。
何をかえると動くのか
どちらの場合も、社員にしっかり説明して腑に落とすことが大事になります。いちど言っただけでは腑に落ちるところまで至らないことも多いので、何度でもコミュニケーションを図ることが大事ですね。そこに費やす手間と時間より、「気持ち」のせいでパフォーマンスが落ちることでムダにしている時間の方がはるかに大きいからです。
1.について、しっかり伝えることは社員のパフォーマンスに大きく影響します。ひとは「最低限の欲求が満たされた後は、自分が何かに貢献したりそのことを他人から認めてもらうことを求め始める」(マズローの欲求5段階説)や、「職場環境を良くすると不満はなくなるけれども、仕事上のやりがいを感じたときにだけ満足を感じる」(ハーズバーグの2要因理論)という海外の学者の研究が有名です。このあたりについては、また別の機会に触れたいと思います。
2.についても、経営者が今の状態で「良い」としているのではなく、「人を採用して状況の改善に取り組んでいるけれど、まだそれが実現していない」ということをしっかり伝え、どのような状態が理想と考えているのかを伝えることが大事です。そこを理解させないと「少ない人件費でたくさん儲けようとしている。」と思われてしまうかもしれませんね。
多くの社員が「いま」「自分が」その仕事をしなければならない理由や、みんなで努力をして目指す「理想の状態」が見えないことに不安を感じています。これをはっきり見えるようにすることで、日々のストレスが「やりがい」に変わります。
これは、社長の理念やビジョンを伝えることの重要性と同じで、日々の仕事の具体的なことについても「目指すところ」や「目的」「理由」などを共有することが大切であり、そのことで確実に社員のパフォーマンスが上がるということです。