社長と社員のレベルが違い過ぎるその理由と解決法とは
大事な仕事を社員に任せようとすると不安ですよね。任せるのはまだ早いと。
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社長と社員では見ているもののレベルが違う
正直なところ、考えのレベルがまだまだ低くて、社員に任せたときに間違った判断をしそうだという不安を感じている社長は多いのではないでしょうか。経験不足だし、すべての責任を負っている経営者とそうでない社員という立場の違いからくる、意識の問題もあるかもしれませんね。
経営者と社員は立場が違うから、判断の基準が違うのは当然のことかもしれませんが、違いが生れる理由を理解して、少し工夫をすることで、彼らにも経営者の想いが少しずつ理解できるようになります。
大きなふたつの違いとは
経営者と社員で大きく違うものがふたつあります。
それは情報の量と、見ている範囲の違いです。
情報量の違い
いま経営の数字がどうなっているのか、このままいくとどうなるのかなど、社長は日々多くの情報に触れています。いっぽうで社員は、売上数字くらいしか理解していないというのが現実ではないでしょうか。
それぞれ事情があるので、全ての数字を社員に公開することが良いとはいえませんが、易しい言葉を使い、社員の実感としてイメージしやすい表現で、会社の現状や今後の見通しがどうなのか、経営数字を社員にも理解させることは大切なことです。そうすることで、経営課題を自分のこととして考えられるようになり、少しずつ判断基準が経営者に近くなってきます。
この情報を持っていない社員にとって、日々の社長の悩み事は「ひとごと」なのです。
見ている範囲の違い
見ている範囲の違いは大きくふたつに分けられます。
見ている空間の広さと時間の長さの違いです。
空間の広さ
空間の広さとは業務範囲のことで、経営者が会社全体を最適な状態にすることを常に考えているのに対して、ほとんどの社員は自分の担当する仕事を最適にすることを一所懸命考えています。つまり視野が狭いということですね。
それは残念なことですが、ひとりひとりの社員に全体を見るような環境を与えていないから、当然かもしれません。また、担当者の知識が狭く深くなることは健全なことでもあります。(上位の役職になるほど広く浅くですね。)
規模の大きい会社であればジョブローテーション(企業にとって将来必要な人材の育成を目的に、計画的にさまざまな職場で勤務させたり、各種研修を受けさせる方法。(三省堂大辞林より))の効果で、ある程度広い視野を身につける機会があります。
そのような人の配置が難しい会社の場合、会社全体はどのように回っているのかとか、他の部署が何をしているのかなどについて、勉強会を開くと良いでしょう。お金に関する経営者の悩みまで社員に理解してもらうのは難しいかもしれませんが、こういった取り組みでだいぶ視野が広くなり、全体最適が考えられるようになります。
時間の長さ
そして見ている時間の長さとは、経営者が将来を見据えて会社の成長を考えているのに対して、社員はいま目の前に見えている問題が一番重要で、そのことの解決に一所懸命になっているということです。
これも経営者と社員で立場が違うので仕方のないことではありますが、全ての仕事を「どうやるか」より「なぜやるか」という視点で意識させることが大事です。そして、会社を取り巻く環境が今後どのようになっていくのか、社長が感じていることを折に触れて話す機会があると良いでしょう。
辛抱強く伝え続けることで社員は成長する
とはいえ、もともと社員の興味は会社の数字より自分の給料、他人の部署より自分の事、未来の事より目の前の問題に向かってしまいがちです。経営者の想いを共感できる社員の育成は一朝一夕にできることではありませんが、辛抱強く伝え続けることが大事です。それがやがて会社の資産になり、将来の会社を成長させる原動力になるということは、「見ている時間の長い経営者」だからこそ解ることだと思いませんか。